ソフトコンタクトレンズ

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装用感が良く、コンタクト初心者もすぐ目になじみますが、汚れやすく、角膜への酸素の供給が不十分になりやすいので、要注意です。角膜はほとんど涙から酸素と栄養分をもらうため、もともとは血管のない組織ですが、慢性的に酸素不足になるとそれを補おうとして結膜から角膜へ新しく血管が伸びてきます。これをパンヌスと言います。

① コンベンショナルソフトレンズ(使い捨てでない従来のレンズ)  
使い捨てレンズができて、処方が極端に少なくなりました。

② 使い捨て(頻回交換)ソフトレンズ  
その利便性でコンタクトレンズの概念を変えました。従来のソフトレンズでよくおきた、パンヌスや、巨大乳頭結膜炎が本当に少なくなりました。とはいうものの、全くおこらないわけではありませんので、油断は禁物です。
コンベンショナルも使い捨ての ソフトレンズも、その素材は従来HEMAと呼ばれる高分子化合物がほとんどでした。
それ以外にもレンズに適した高分子化合物はあるようで、特にシリコン素材は、その酸素の透過度の高さで注目されていましたが、水をはじく疏水性のため、なかなか実用になりませんでした。
数年前に、HEMAとシリコンを合わせた素材が実用になりました。シリコンの疎水性を補うため、表面処理がなされていますが、各メーカーによって表面処理の方法が違います。シリコンは油汚れに弱いといわれていますが、表面処理の違いによって汚れやすさも違う気がします。
また、HEMAより装用感が気持ち落ちるようで、ほとんど気にならない方がほとんどですが、少し気になさる方がいらっしゃいます。Rigidity(弾性率)の高いレンズは、その傾向が高いです。

ⅰ)1日の使い捨て  
ソフトレンズの使い方としては一番理想に近いレンズです。汚れが付く前に捨てるので、目の負担が少なく、ケア用品を使う必要がないので、それに伴う障害もおきません。これでコストが低ければいう事はないのですが。________
ⅱ)2週間の頻回交換レンズ  
朝起きて着け、夜はずしてレンズをケアし、2週間使って捨てます。コストパーフォーマンスに優れているため、愛用者が多いのですが、中には2週間を越えて使うケースもあるようです。診察して「きょうは、装用して何日目ですか?」という質問をするとギクッとされる方がいらっしゃいます。目は正直ですから、そうお聞きする時は、長期間装用で何かトラブルのある時です。ご自分の目ですので、労わってあげてくださいね。
ⅲ)1週間の使い捨てレンズ  
最初に世に出た使い捨てレンズです。1週間はずさず入れっぱなしで、捨てます。HEMA素材の場合、最初は無理なく使いこなせていても何年か経つと角膜に酸素不足のパンヌスが出る方が多いようで、今はほとんど処方していません。1週間が長すぎるというより、夜間目を閉じている時の、角膜に対する酸素供給量が不十分なためといわれています。ただ、朝目を開けてすぐ見える、1週間出し入れする必要がない、等の使い勝手の良さはコンタクトレンズの理想です。
シリコンハイドロゲルの1週間使い捨てはありますが、あまり主流にはなっていません。冷静な評価の結果というより、これまでのイメージが悪いような気がします。
ⅳ)1ヶ月の頻回交換レンズ  
従来型のソフトレンズと同じ素材のものもありますが、日本で最初に認可されたシリコンハイドロジェルは、1か月型です。_____汚れが付きにくく、乾燥感にも強い、という触れ込みでした。確かに汚れの付きにくさは素晴らしいですが、弾性率が高く、使用を見合わせる方もいます。