「コンタクトで目に傷がついた」とよく言います。目に傷がつく、というのは主に角膜上皮が障害を受けたという事です。角膜は5層から成り立っていますが、一番表面の角膜上皮はゴミが入ったりすると、傷つくのも早いのですが修復するのも早い組織です。浅い傷であれば、たいてい一晩眠れば治ります。角膜は黒目と呼ばれる部分ですが、実際は透明です。その後ろにある虹彩が黒っぽい色をしているため黒く見えるのです。
傷は肉眼で見えない場合が多いのですが、大きいと上のように白く見える事があります。コンタクトレンズの装用が原因の傷は、一晩で治らず感染性の角膜炎になる場合もあるので、気をつけなければいけません。
ではコンタクトをしていると、どうして角膜炎になるのでしょうか? 角膜炎が発症するのには、①角膜側の要因と、②病原体(細菌やカビ等)側の要因があります。角膜が健康であれば病原体があっても角膜炎はおきませんし、角膜が傷ついていても病原体をシヤットアウトできれば角膜炎を防げます。
角膜自体ではありませんが、角膜を守る援軍としての役割を持つ涙液等の問題として
で防御のバリアーが壊れる、という事があげられます。
ⅰ)ⅱ)ⅳ)ⅴ)に関しては、自覚的な症状があって来院される場合が多いのですが、やっかいなのはⅲ)です。ソフトコンタクトの場合、少々調子が悪くても、バンデージ効果(柔らかいソフトレンズが傷をカバーして痛みがでにくい)であまり気にならず装用できるので、来院された時にはひどくなっている事があります。使い捨てレンズでも、充血があったり、違和感があれば早めに外すようにしてください。
がありますが、レンズケースを不潔にするとバイオフィルム(細菌などがネバネバを出してその中に潜りこみ集合体を作って消毒や抗菌剤に抵抗をしめすもの)を形成します。最近は、ケア用品のボトルに新しいレンズケースが付いてくるので、必ず交換してください。
傷が治った後や、慢性的な角膜の酸素不足が続くと、上のように、結膜から角膜表層にパンヌスが伸びてきます。一度できた血管の壁は消えませんが、状態が良くなると中の血流はなくなります。
Director
院長
髙橋 眞理子
【診療方針】
当院は、新宿区市谷薬王寺町で2013年1月4日から開業しました、とってもアットホームな眼科医院です。地域の皆様に良質な眼科医療をご提供することを理念として、日頃から、皆様の体質や病歴、健康状態を把握し、診療とそして健康上のアドバイスなどもできる「かかりつけの眼科医院」を目指してまいります。 眼科の病気は、視力という生活にとって重要な機能と結びついていますが、ほんの些細な症状もあれば、時には、はっと胸を衝かれる重大な疾患を抱えた方に出会う場合もあります。大がかりな手術や最先端の検査が必要と判断した場合には、大学病院等の施設へのご紹介もさせていただきます。 常におひとりおひとりに丁寧で距離のない診察をと、心がけています。