よく診る目のトラブルについて。「白内障」

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「白内障」

白内障というのは、眼球の中にあってレンズの役目をする水晶体が濁り、くもったガラスを通して外を見るようにぼやけて見にくくなる病気です。透明であるべきレンズが、蛋白の変性のために白く変化します。年齢からくるものがほとんどですが、糖尿病などの全身疾患や、ある種の薬剤の副作用外傷の後、また生まれつきの事もあります。

上はごく初期の白内障です。本当は白い濁りなのですが、光線の加減で黒っぽく見えます。年齢からくる白内障の場合、左の方のように濁りが周辺からくさび状に中央に向かうタイプが多く、若い方で右のように中央から周辺に足を伸ばしたヒトデのように見える白内障はアトピー性白内障の可能性が強いです。治療は進行をなるべく防ぐため、点眼剤を使うこともありますが、完全に止めたり、治したりするものではないため、進行すると手術が必要となります。その時は、大学病院等に紹介させていただいています。下は上の写真とは違う方ですが、手術後の状態です。

少しわかりにくいのですが、水晶体の前面の皮がきれいに大きく開いて、人工水晶体の足が時計でいうと2時と7時に少し見えています。術後しばらくして後面の皮に少し濁りが出たため、レーザーで窓を開けたところが影のように見えています。とてもきれいな術後の目ですが、視力も良く出てご本人もとても満足していらっしゃいます。

近年術式がますます改良されて、小さい切り口から折りたたまれた眼内レンズが挿入され眼内で本来の形に伸ばされます。切り口が小さくなる事で、術後に起こりやすかった乱視が防げるようになりました。また、単一の焦点距離ではない遠近の眼内レンズも出てきました。

それでもなお、いつ手術に踏み切るか、というのは難しい問題です。以前と違って手術の時間も短くなり、濁った水晶体を砕いて取り出すと同時に人工水晶体を入れますので、術後すぐから良好な視力が得られます。とはいうもののご本人にとっては目にメスを入れるというのは気軽に考えられることではありませんし、後遺症なく本当に良好な視力を得られるのか悩む気持ちも良くわかります。アドバイスにもなりませんが、やはり決心がつかれた時が、手術の時期と思います。

Director
院長
髙橋 眞理子

【診療方針】
当院は、新宿区市谷薬王寺町で2013年1月4日から開業しました、とってもアットホームな眼科医院です。地域の皆様に良質な眼科医療をご提供することを理念として、日頃から、皆様の体質や病歴、健康状態を把握し、診療とそして健康上のアドバイスなどもできる「かかりつけの眼科医院」を目指してまいります。 眼科の病気は、視力という生活にとって重要な機能と結びついていますが、ほんの些細な症状もあれば、時には、はっと胸を衝かれる重大な疾患を抱えた方に出会う場合もあります。大がかりな手術や最先端の検査が必要と判断した場合には、大学病院等の施設へのご紹介もさせていただきます。 常におひとりおひとりに丁寧で距離のない診察をと、心がけています。

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